太郎冠者近う寄れ

odarinden2008-04-12

今日は、兵庫県立芸術文化センター中ホールで行われた
「古典と遊ぶ 春爛漫! 茂山狂言会」に行ってきました。


先月行った能もそうだったけど、狂言見るのも中学んとき以来。
京都に400年続く狂言師一家の茂山千五郎家の公演でございまして、
もちろんきっかけは「ちりとてちん」に出演していた茂山宗彦(モッピー)です。
残念ながら今回の西宮での3公演に彼は出演していなかったのですが、
会場のムードは温かくて大盛況、爆笑の連続でした。


開演に先立ち解説があったあと、3つの演目が上演されました。
参詣したお堂の屋根に乗る鬼瓦を見上げて、
その顔が国許に残した女房にソックリだという「鬼瓦」。
借りた馬が暴れるのをいいことに主人を落馬させる「止動方角」。
そして、嫁と姑にこき使われる養子の男が繰り広げる知恵合戦の「濯ぎ川」。
先の2つは古典で、室町時代の庶民に根ざした狂言の笑いといえるようです。
声色や動きだけで十分ユーモラスで、日本人は昔からアホやったんやと安心しますw。
ただ「止動方角」は何度もくり返される同じパターンが、私には少しくどかったです。
昭和28年に書かれた“新作”の「濯ぎ川」が、一番わかりやすくて笑えました。


茂山逸平は、写真で顔を見る限りお兄ちゃんほどの派手さがないものの、
客席から見ていると体型から醸し出すムードから何からモッピーと“同じ”でした。
古典芸能の演者とは思えないスタイルの良さで、あの細い体から出る声のよく通ること。
人間国宝のおじいちゃまは登場時間が短かったけど、空気が一変しましたねぇ。
そして父上は、なんと終演後ロビーで写真集買った人にサイン会してました。
13代に渡って伝統芸を受継ぎながらもちっとも上から目線を感じない、
そんな茂山家にかなりの親しみを感じたひとときでした。


同行のKUちゃんとはランチも楽しみにしていたのですが、
劇場に併設されたレストランイグレックテアトルは満員で入れなかった。
これから行こうと思っているなら必ず予約を入れておくべし。