香りを聞くのだ

odarinden2007-09-21

「できることから少しずつ日本文化に親しもう」が社訓?wの我が社。
今日はなんと、某カルチャーセンターで香道の体験レッスンを受けてきました。


香道にもいくつか流派があって、そのうちのひとつ泉山御流(せんざんごりゅう)。
京都の泉湧寺という皇室の菩提所が本山だそうで、何やら雅びなルーツを感じますゾ。
小さな香炉に灰を盛りそこに炭団を埋めて、灰の頂点に乗せた香木片を温め、
そこから放たれるかすかな香りを嗅いでその香りを当てるのが組香で、いわば宮中の遊びです。
もとい、香りは嗅ぐのではなく聞くといい、
神経を集中する様からそのようにいわれているんだそうです。
香炉の持ち方や聞き方、組香のルールを教わったあと、実際に一席設けられました。
今日の組香のテーマは季節柄「観月香」。
いいでしょー。
まず、ここんとこで日本人でよかったと思いましたわねw。
はじめに「月」の香りが焚かれた香炉が回されます。
この香りをどれだけ脳髄にとどめておけるかが鍵といっていいのですが、
その後、別の3つの香炉が順に回され、
この3つの中にひとつだけある「月」と同じ香りを当てます。
今日は初心者用ということで香りの数は2つだけ。
「月」以外の香りは「雲」の一種類なので、3つの組み合わせは
「月」「雲」「雲」
「雲」「月」「雲」
「雲」「雲」「月」の3種類のどれかになり、
これだと思った組合せを小さな答案用紙(記紙)に書くのです。


しかし、香道がすごいのはここからで、ただ並べて書くなんてことはしません。
それぞれをこのように書き換えます。
「月」「雲」「雲」→「夕月」
「雲」「月」「雲」→「明月」
「雲」「雲」「月」→「有月」
これは漢字の並び位置でなんとなくわかると思うので詳しくは端折りますが、
なんてまあ雅びなお遊びなんでしょうかっ。
参加者の名前は女性の場合、下の名前の上2文字をひらがなで表記。
例えば「雅子」さんなら「まさ」となり、各人の名前と正解不正解を
記録係の方が筆でささっと書き上げてくれます。
正しくはここで古典文学や和歌、あるいは有職故実を主題にしたお話があるそうで、
これが泉山御流の特徴でもあるとうかがいました。


いやいや面白かった。
正座しているときの手は横、香を聞いたあとの吐く息は左下へさっと出す。
これどちらも「十二単衣を着ていた当時の名残り」なんですって!
さて正解は「夕月」で、rindenも相棒も見事に正解。
記紙には赤字でしっかり「叶」と書いてありました。
叶とは、いい言葉ですなぁ。


ということで、残念ながら写真はありませんニャ。