春日野道の平均台

odarinden2006-02-21

人から聞いた夢の話のなかで、ダントツに記憶に残っているものがある。
それは、たしか高校の同級生I子から聞いた。
阪神の春日野道駅に行ったら、プラットホームが体操の平均台になっていた」というものだ。
夢の中で彼女は両手を広げてバランスをとりながらプラットホームの上を歩いているうち、
遠くから電車が近づく音がする…お、落ちる〜、助けて〜!
という恐怖の展開になって目が覚めたのだという。


阪神電鉄の春日野道駅は地下のトンネルにあり、中央の1本のプラットホームを挟んで
両側を電車が通過するタイプの駅である。
I子の話は決して大袈裟さではない。だって本当に怖いんだもの。
プラットホームの幅は多分rindenの身長(152cm)もなく、
そのため人はここで電車を待つのも危なくて、ホームに続く細い階段に立っているのだ。
真ん中には「ここにつかまれ」と言わんばかりの握り棒が設置されていたが、
とてもじゃないが車椅子利用者や白杖を持った視覚障害者には危険すぎて利用できない。
稀に利用すると、なんのためにこんな駅があるんだと驚いたものだった。


鉄道マニアのくるり岸田繁様がラジオで語っていたところによると、
三宮駅のすぐ近くの場所なので、当初は駅が造られる予定などなかったのが、
近辺に大企業(神戸製鋼とか川崎製鉄とか)の工場ができたため強い要望があり、
トンネル内に急遽造ったんだそうだ。無理しすぎ。
数ある全国の駅の中でも、ホームに楠が生えている京阪の駅を抜いて、
岸田は阪神春日野道駅を日本の珍駅ベスト1に選んでいたくらいだ。


今日、14日間フィットネスの帰り、久しぶりに阪神春日野道駅の改札前を通ったら
なんだか明るくなって、人通りも多く、以前とは大きく様子が変わっていた。
周辺はちょうど震災復興住宅の並ぶ神戸の東部副都心(HAT神戸)になっているから、
そこへ行くための最寄り駅になっちゃってんの。
数年前から改装が進んでいるらしく、当然、もうあのころの駅ではない。
トンネルの幅を広げ、ホームも両側についたようだ。
安全になってよかったが、ちと淋しさも感じる。
神戸の歴史の1コマとして誰かが写真できっちり残しておいていたらいいな。
平均台