スノウシューズ
今日は珍しく大雪が降った。
関西では記録的っぽい。しかも吹雪。
実家（六甲の中腹）に住んでいたとき、雪で痛い目にあったことがある。
その日はかなりの積雪だったためバスが運休してしまい、
駅までの坂道を延々とトボトボ歩いて下りて行った。
歩きはじめはフカフカの雪だったので気付かなかったのだが、
途中で靴の様子がおかしいので見てみたら、何とスニーカーの底がツルッツル！
だんだん路面が凍ってきて、一歩踏み出すたびに滑って転んでえらいことになった。
なにせ駅までは凍り付いた下り坂しかない。
目の前では車が軽く玉突き衝突しているし、
上にも下にも行けず、お尻を突き出したポーズをしたまま固まってしまった。
このままではどうにもならん！ ままよ！
１人でスタスタと通りかかった高校生の男子に思い切って声をかけた。
「すいません！ 駅まで手ぇ引いて行ってもらえませんかっ！」
果たして中腰のまま手を引かれて無事駅まで辿り着き、
三宮に着いたころには雪なんてほとんどなかった。
自分があまりに情けなくて、神戸新聞の夕刊名物コーナー「イイミミ」に電話。
事の顛末と高校生へのお礼を喋って翌日掲載された。
彼の住所を聞いていたので（豪邸に住み親はBMWに乗り進学校に通うボンだった）
新聞の切り抜きとお礼に靴下を送ったのだった。
あのあと、rindenの父は無言でゴム長靴を買ってくれた。
もう二度とあんな思いはしたくない！
だからいつか役立つと思って買っていたんだもん、
スノートレッキングシューズを。
おかげで今日は、白銀の道をサクサク音をたてて爽快に歩いて行けたのでした。
