たまにはしみじみ

odarinden2005-12-13

柄本佑主演の「美しい夏キリシマ」を見た。
やっぱり彼はタダモンじゃなかったよー。
終戦間近、自分のせいで空襲のときに爆死した親友に対する罪悪感を背負い、
その純粋ゆえに自分を保つことができなくなっていく少年を演じていた。
あの空気のような風のような、自然でいて強烈な存在感は何なのだ。
目つきか。声か。姿勢か。身長か。


作品全体が淡々としているからこそ、様々な思いが浮かびあがる。
戦争に対するやりきれない怒り、戦時下で懸命に生きる人たちの姿の美しさ。
生々しい場面がほとんどないせいか、霧島の牧歌的な田園風景に抱かれていると
自分がこの中に生きていてもおかしくないくらいの、リアリティを感じた。
そういえばねー、10年前震災で被災したあと、
街中があんなにグチャグチャになっていたというのに、
春が来て桜が咲いて、梅雨が来て雨が降って、
夏が来て熱さに参って、秋が来て紅葉したんだったなー。
そんなあたり前のことにいたく感動していた。
何があっても季節は過ぎて時間は流れていくもんだと、たいそう驚いたのだ。
見終わったあとになぜか激しくあのときの思いがよみがえってきたのでした。


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