まばたきしない女

odarinden2005-11-06

夕食しながら何気なく見始めた「歌伝説 ちあきなおみの世界」(NHK-BS2)。
…これが凄かった。完全に引き込まれた。
歌というのはある意味歌い手による独り芝居なのだと思う。
その究極の姿を、彼女はあんなにも見せていた。
「感情がオーバーだなぁ」くらいしか思っていなかった自分は浅かったよ。
なりふり構わず歌詞の世界に自分を置き、そこで生きざまを同化させるのだ。
薄幸の女の世界を、歌にして売りモノにするなんてのは好きではないけれど、
彼女が歌えば、そのやるせなさがこちらの胸を掻きむしってくる。
例えば歌っている最中、ひとつもまばたきをしない。
よほど集中していない限り、まばたきをしないなんて考えられないよ。
「朝日のあたる家(朝日楼)」では悲惨な境遇の娼婦の物語を歌い上げていた。
感情を抑えながらも悲痛な叫びが聞こえてくる、屈指の名唱とはこのことだと思う。
寸劇を演じながら歌う「ねえ、あんた」も素晴らしい。
思わず涙があふれた。
アタシは絶対にこんな女にはなり得ないと確信しているにもかかわらず。


帰宅した夫に聞くと、ちあきなおみのCDは入ってきてもすぐ売れてしまうらしい。
ご主人が亡くなってから13年間、芸能活動は全くしていないのだそうだ。
そのうちに機会があれば、ぜひとも生で歌を聴いてみたい。


フランツ・フェルディナンド
今日はこれと「ゲッセマネ」をメインにいつものバックホーンと
久しぶりのオジー・オズボーンなんかを取っかえ引っかえ聴いていました。
だから英検2級の面接対策が出来なかったのねー。
いかんよアタシ、いきなり来週なんだし。