世界で一番素敵な60代

odarinden2005-07-09

父親参観の会場かと思いました。
どこから湧いたか、中年オトコがゾロゾロと。
髪の毛の薄い人長い人、貫禄ある人栄養足りてなさそうな人、
いい服着てる人そうでない人、肩書きも多分いろいろ。
観客の8割は元ギター少年、現在推定35代以上。
彼らの熱い熱い眼差しに応えて、素晴らしいステージを見せてくれました。
ジェフ・ベック様@大阪厚生年金会館


1944年6月生まれといいますから、御年61歳です。
それなのにお姿は『BLOW BY BLOW』のジャケットとほとんど変わっておられません。
ギターの技も衰えを知らず、レコードよりも早く弾いていた曲もあるほど。
ロッカーとしてのイメージがことのほか期待されるゆえ、作品はもとより
ルックスも技能も過去に甘んじていられないのがロックビジネスの世界です。
彼はそんな世界とは無縁の孤高のギタリストではあるけれど、
昔のまんま、いやそれ以上のエレガントで優しく切ないギタリストでした。
キースもミックもカッチョエエけど、その上を行くカッチョ良さでした。
客はノリながらも座ったまま鑑賞し、最後にスタンディングオベーション
その余韻のままアンコールへ、そして感極まった「Over The Rainbow」。
この流れが、すごく温かい感じで会場を包みこんでいました。
あーよかったなー。しみじみ。


rindenの無人島(へ持って行きたい)曲の候補のひとつでもあるのが「Diamond Dust」。
んもう、この曲めちゃめちゃ好き!!
コード進行が不思議な感じで、階段を上がったり下がったりするように音が変化していきます。
そこには独特の広がりがあって、とてもスペイシーなのです。
その間をすり抜けるように、ジェフ・ベックのギターが旋律を奏でていきます。
変拍子っぽいので不思議なひっかかり感があるのですが、
このひっかかりが、大気中にちりばめられた光(氷?)の粒を、
まさにダイヤモンド・ダストのきらめきを表現しているように感じます。
いやいや、もちろん勝手な解釈ですがね。
満天の星を演出したライティングの中、rindenは天の川を泳いでいるみたいでした。
一年おきでいいから、また来て!