急いだ先にあるものは何?

odarinden2005-04-25

宝塚にある取材先が、店の新しい写真を撮ったので掲載前に差し替えてほしい。
ついてはプリントを渡したいので、取りに来てもらえないかという。
締めきりが迫っているのでrindenが直接店に出向き、
朝いちでそれをもらって、そのまま大阪の編集部へ持っていく。
…例えば、そんな予定があったとする。それが今日のことだったとしよう。
宝塚からはきっとJR福知山線に乗って大阪に向かったに違いない。
現場からそう遠くない場所に住んでいるわたしたちが
あの脱線事故に遭遇していた可能性は、日常の中にごく普通にある。


ウィーンでミュージカルを観たとき、幕間にトイレに行った。
2階にはトイレが1カ所しかない。
梅田コマではトイレが長蛇の列で疲れたもんだから、
そうならないようにダッシュして一番乗り。
ところが入ってびっくり、個室が2つしかないっ。
rindenは当日、義妹に借りたロングドレスを着ており、
異国の特別な場所にいることで緊張しながら
服を汚すまいとガサガサして気になるわ、
外にはいっぱい人が並んでるだろうから待たしたら悪いわ、
早くしなくちゃと一人であせって冷や汗かいていた。
出ると案の定長い列が出来ていたので、自分のモタモタで迷惑をかけたかと思い
「いっぱい並ばして申し訳ないわ」みたいなことを義妹に言ったら
「ぜーんぜん。日本と違って誰もあせる人なんていないよ」という返事だ。
時間に対する考えの違いは、彼女がウィーンで実感していることのようだった。


何かを急ぐということは、実に大きなプレッシャーになることが知られている。
確かに「早く、早く、急いで」と言われたり、
そういう状況に追い込まれたときには、頭の中が白っぽくなって冷静さを失う。
一方、JRが信号機の故障などで車両停止することを、rindenも何度か経験している。
そんなとき、車内アナウンスと同時におおかたの人が携帯を取り出し、
「JRが止まっちゃいましてね。すんません、ちょっと遅れますわ」
なんて、とっても大ごとな風に話をする。…もう動き出したっちゅーのに。
わたしたちは、時間通りでないことにとても敏感である。
事故の原因はまだ不明だが、もしも時間通りにという思いが先走っていたなら、
それは身に染み付いた日本人特有の価値観のせいなのかもしれない。
極めて真面目な。


さすがに今晩は食欲が出なかったが、アサヒの限定発泡酒というのがやってきた。
佐々木蔵之介が目を向いてCMしていたやつかな。