とっておきの写真集

odarinden2005-04-21

お客さんからもらったといって、夫が一冊の写真集を持って帰って来た。
A4横サイズで84ページ。中はすべてモノクロの写真である。
夫が商売をしている商店街は神戸では少し異色な場所なのだが、
そこをテーマにまとめたアマチュア写真作家さんの作品だそうだ。
被写体にした店や店主に配っているらしく、
さぞや制作費がかかっただろうにと恐縮してしまう。


皺いっぱいのおじいちゃんの笑顔や、狭い通路を往来する人達の姿。
活気があるとき、閑散としているとき。雨の日晴れの日。
無国籍で薄汚くて不思議で雑然とした商店街の様子が
やや不器用なコメントとともに切り取られており、
撮り手の街に対する確かな愛情を感じて好感が持てる。
これはいったいいつごろの写真やろうって思うくらい、
モノクロ写真は、時間を止める効果がある。
いったいどんな人?
「ふつうの感じのいいおっちゃん。相手の懐にグっと入ってくるのがうまいな」
それにしても、自主制作したうえに無料で配ってるだけなんて!
書籍制作が本業のrindenはそれが残念でならないよ。
地元の新聞にアピールしたり使用写真で個展開いたり。
商店街だって撮影に協力してるんだから、宣伝してお互いに知名度上げようよ。
なんぼでもできるやんかー、もったいない。一人でブツブツ言っていたら
「そう思うんやったら、キミゆうてあげ〜よ」。


奥付を見ると「非売品」と書いてあった。商売気ないなぁ。
神戸の中央図書館に蔵書されているようです。