選んだ理由が知りたいのだ

年末からあるマーケティングリサーチに協力していた。
冷蔵庫の買換えを前提に、
購入機種決定にいたるまでの動向をリポートするものだ。
今日、そのインタビューがあった。
実際にはまだ買換える必要はないので、あくまでも仮定なのだが、
自分なりにあれこれ調べた結果、サンヨーの冷蔵庫に決めていた。
リサーチ会社が一番知りたかったのは
「何を選んだか」ではなく「決定に導かれた要因は何か」ということだった。
そういうことで言えば、今回機種（メーカー）選びの決め手になったのは
家電販売店の男性店員さんによるセールストークだった。
「ぶっちゃけ、どのメーカーがおすすめなんですか」
「回し者じゃないんですけどね、サンヨーですわ」
「へぇ、どうしてなんですか」
「コンプレッサーっていわば心臓部なんですけどね。
サンヨーはそれがいいんですよ。エンジンとかモーターみたいなもんですわ。
丈夫で長持ちするから、業務用にもよく使われているからね」
それまでは両開きの扉とかオシャレなデザインに目が行っていたが、
このひとことで心が決まったようなものだ。


リサーチ会社のスタッフにそんな話をしたらこう聞かれた。
「コンプレッサーって、具体的にどんなものが知ってる？」
「…いやぁ、知らないですねぇ」
「プロ仕様って言葉に惹かれる？」
「ええ、思いっきり。でも素人には使いこなせないイメージもあるなぁ」


消費行動へと誘う優しい誘惑。
フックされる要素は人によって違うものだが、
それは同時にその人のウィークポイントになり得るってことを知るなぁ。