阪急電車

odarinden2010-08-13

話題の小説「阪急電車」。
舞台になっている今津線沿線在住者なので以前から気にはなっていたのですが、
映画化されるらしいのと、さらには文庫になったタイミングもあって購入してみました。


一気に読み終えてしまったのは、単になじみがある地域だからというわけではなく、
乗り合わせた人たちの人間模様が絶妙に交差していく展開が巧みだからでしょう。
思わず「ウマイ!」と膝を叩く感じです。
駅周辺の描写が細かい(特に小林)うえに、「塚口がビミョー」というセリフなんぞが出てくるあたり
これは近所で暮らしている人にしか書けないはず。
(実際、作者の有川浩さんはあとがきでそう書いておられます)
そこにリアリティがあるぶん、ここに登場する人たちのような出会いややりとりが
本当にあの電車の中で行われてるかというと「ウソやーん」ってなるw。
フィクションなのはわかっているものの、あまりに身近すぎるせいかちょっと照れくささを感じます。


いろんなことに戦ってる女性が出てくるけど、読後は清々しさ満点です。