ミカバンド

odarinden2009-10-19

加藤和彦氏の訃報にふれ、CD棚から一枚引っ張り出してきました。
サディスティック・ミカ・バンドの「黒船」です。


黎明期の日本のロックに名盤といわれるものは何枚かありますが、
実際に聴いてみると結構物足りなかったりします。
ロックっぽい音を出していても、所詮は洋楽のモノマネに過ぎなくて、
自分達の音になりきっていない印象を受けてしまうのです。
そもそも、楽器演奏がそれほど上手くないんだから
そのつたなさをぶっ飛ばすくらいのパワーや個性がないともたない。
当時はまだ、そこまでのバンドはなかったんだろうと思います。


そんななか、この「黒船」は本当にかっこよくて、一気に聴いてしまいます。
なんたって35年前に和洋折衷のコンセプトアルバム!
曲がいい、アレンジセンスがいい、演奏がすごい、しかも遊んでるような余裕がある。
旧A面のインストなんてファンキーでチキン肌ものです。


80年代の加藤和彦のイメージは都会的なセンスの優男だったので、
「黒船」のジャケットに写っている“グラム”な彼には驚いたものです。
そうそう、イエモン吉井和哉に似てるっちゃ似てる。
時代とともにスタイルをどんどん変えていった彼なのに、
今この時代にもう新たに作るものがなくなってしまったとすれば残念です。
合掌。


吉井で思い出した、イエモン結成20周年のトリビュートアルバムが出ます。
なかなかいい顔ぶれで、すっごく楽しみ!
なかでも一番はバックホーンの「球根」(この組み合わせには狂喜)です。